トピックス
家庭間の電力融通が動き出す
ポイント
- 伊藤忠が日本市場参入を目指し、年内に北米で事業を開始する
- 東京ガスは自社開発のシステムを外販する
- EVや家庭用蓄電池が普及すればエネルギーの地産地消が可能になる
- ↑バッテリーの価格低下が普及のカギ
詳細
これはVPP(Virtual Power Plant: 仮想発電所)に関する話題です。
僕たちが使っている電気は、電力会社や発電事業者の持つ大きな発電所で発電された電気を、送電線を使って僕たちの町まで送電し、家庭で使える電圧に調整された上で配られます。
最近では、家庭用太陽光発電やメガソーラーのような、電力会社などが持つ発電所と比べ比較的小規模の発電所が国内各地に点在するようになりました。
電気というのは厄介なもので、発電する電気と消費する電気の量は常に等しくないといけません。等しくないとどうなるかというと、以前北海道で発生した大規模停電のようなことが起こります。
天気の良い昼間は、点在する太陽光発電がせっせと電気を作ります。そうすると、供給する電気の量が多くなるので、需給のバランスが崩れ始めます。この時、電気の需給が等しくなるように、人知れず電力会社は発電所の稼働率を下げているのです。
ここで、各家庭が日産リーフや蓄電池を整備して、太陽の照り具合で変動する電気を各家庭の蓄電池に分散して充電させ、太陽が沈んだ夜に充電した電気を使用すれば、電力会社は発電所を神経質に制御しなくてもよくなります。国内に点在する太陽光発電と各家庭の蓄電池は、全体で見ると大きな発電所のように振る舞いますが、これを仮想変電所すなわちVPPと言います。
国内では2021年にVPPを使う環境が整いますが、伊藤忠や東京ガスが、この仕組みづくりに名乗りを上げているというのがこの記事の要約です。
太陽光を輸入するというアイデア
ポイント
- 太陽光発電で作った水素を輸入することで、太陽光エネルギーを輸入したことになる
- その水素とCO2で作ったメタンを輸入しても同じ。メタンなら既存のガス器具をそのまま使える
- 輸入に頼るので、エネルギー安全保障や資源外交の重要性は変わらない
詳細
続いては日経のDeep Indightから。再エネの普及に関する話題です。
太陽光発電などの再生可能エネルギーは、国内で作った物しか使えなさそうな気がしてきてしまいますが、そんなことはないよという話。
オーストラリアや中東など、よく日が照って平坦な、太陽光発電の建設にうってつけの場所で発電された際エネ電力を使って、水を電気分解して水素を作り、これを海上輸送することで、再エネを輸入できることになります。
燃料電池を用いて水素から電気を作ることができますので、これで輸入した再エネの電気を国内で消費できるようになります。
また、水素とCO2を合成してメタンを作ることができ、これを海上輸送することでも際エネの輸入が可能です。メタンは僕たちが使う一般的なガスの主成分なので、各家庭にあるガス器具をそのまま使うこともできます。
ただ、輸入に頼るわけですから、エネルギー安全保障や資源外交の重要性は今と変わりません。引き続き、良好な相手国との関係が重要であると、記事は締めくくっています。