DENKIMAN

エネルギー業界の気になるニュースをPICK UP

大学では電気電子工学を学び、卒業後は鉄道会社に電気専門職として6年勤め、その後太陽光発電事業者に転職しましたが、今までに得た知見をまとめる為に本サイトを立ち上げました。しがない知見ではありますが、微小でも本サイトが業界の共有財産となればと思っています。

太陽光マネジメント
・予備品、備品管理
・必要十分なO&M業務の内容について考える
・リパワリング、リバンピング
・予備品の保管について
サイト・セキュリティ
・かけるべき保険
・インバータの保証について
・発電所監視カメラ
・セキュリティシステム
関係法令
・モジュールの接地について
・太陽光発電の絶縁について
・サイバーセイキュリティ対策
・主任技術者の専任について
テクニカル
・PRの計算方法おさらい
・モジュールの技術的な話
・インバータの技術的な話
・架台について
・モニタリングシステムについて
・ストリング監視は必要か
・通信異常発生時のトラブルシュート
電験二種取得計画
※非リンクは今後更新予定です。

PR値の計算方法(おさらい)

太陽光発電業界に転職したとき、まず勉強したのはPR値についてでした。

PRとはPerformance ratioの略で、日本語ではシステム出力係数と言ったりもするそうです。

ですが、僕はこの日本語略が好きではありません。名前を聞いたところで、何を意味するのかよく分からないからです。

半年ほど太陽光業界に身を置いた今、PR値を日本語にするなら、「パネル全体評価係数」でしょうか。PR値というのは、この「パネル全体評価係数」の名の通り、パネルを全体で見たときの性能を評価する指標として使います。

PR値とは

パネルメーカーは、商品であるパネルがどのくらいの電気を作り出すことができるかを、パネル容量という仕様で表現します。最近のパネルだと、310Wが相場。

でも、パネルは常にこの出力を発揮できるわけではなく、当然曇りや雨の日はガクンと出力が下がります。メーカーが提示するパネル容量とは、晴天時の日射量を1kW/㎡としたときの出力をいうのです。PR値について説明した多くのサイトでは、このことを明確に書かないがためにPR値の計算方法が分かりにくくなってしまっています。

PR値の計算方法

まずはパネル1枚で考えてみます。あるパネルの容量が310W、ある時間の日射量が1kW/㎡だったとします。この時のパネル出力が310Wだったなら、PR値はこうなります。

PR=実際の出力(W)×日射量(kW/㎡)÷パネル容量(W)

(2020.11.5追記)

計算式が誤っていました。正しくは、

PR=実際の出力(W)÷(パネル容量(kW)×日射量(kW/㎡))

です。訂正してお詫びします。

(追記ここまで)

PR=310(W)×1(kW/㎡)÷310(W)=100%

PR=310(W)÷(310(W)×1(kW/㎡))=100%

PR=100%というのは、パネル性能を100%有効活用できていますということを表します。

 

では、次に発電所全体で見てみます。

発電所に設置されているパネルが全部で310kW(パネル1000枚)だったとしましょう。日射量が同じく1kW/㎡、この時の発電所全体の出力が290kWだったなら、PRは次のようになります。

PR=290(kW)×1(kW/㎡)÷310(W)=93.5%

PR=290(kW)÷(310(W)×1(kW/㎡))=93.5%

パネルを93%しか活用できていないことになります。

どんな時に使う?

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実際の太陽光発電所は起伏があったり、周りにはえる木々や雑草や建物の影になっていたりして、パネルをフル活用できないことがほとんどのため、PR=100%にならないのが常です。

つまり、PRを100%に近づけようと頑張るのは少々ナンセンスだということ。

じゃあ、どういう風にPR値を使うかというと、例えばPR値の変化を年ごとに追ったりすると有意義です。埃が多い場所なら、経年により埃がパネルに溜まりじわじわ出力が落ちてくるはずですが、日々の発電電力量にその変化を見つけるのは簡単じゃない。というか不可能です。

ここでPR値の推移に着目すると、数%のPR値低下が認められるかもしれない。その変化に気づいた時、パネルの出力を低下させている原因を突き止めるヒントが得られるかもしれないのです。

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