まず正直に自分の話をすると、僕は就職してから資格の重要性に気づいた愚か者です。
資格なんて自分の専門知識レベルを証明するだけのもので、就活のために使うものであり、就職してしまったら用なし、くらいに思っていました。就活のための資格取得というのが、どうもモチベーションの向上につながらなかったんだよね。
就職して初めて色々な資格を調べ始め、驚愕しました。仕事、というか現場で通用する知識ばかりだった。
資格は就職してからこそ発揮する道具です。これから就活を控えている君に、使えそうな資格の話をするから、よかったら読んでみて。
電験は色々使い道がある最強アイテム
まず紹介するのは、エンジニア道では避けては通れない、電気主任技術者(通称:電験)です。
学生の頃、友人が必死になって受けてたのを「ふーん」と見ていたけれど、いやー、あいつやるな。
電験は1種〜3種の3種類のレベル分けがされていて、一番最強なのは1種。ただ、一部の超エリートを除いて、学生のうちに1種取得まで目指すのはナンセンスだと思います。理由はむずすぎるから。
学生のうちに3種の取得を目指すのは非常に賢いです。
エンジニアとして電気系の会社に就職すると、だいたい最初は現場に配属になります。そこで、「ああ、勉強したあれはこれか!」となります。まずこの段階で、電験取ってよかったとなるはずです。
そしてね、電験がなぜ最強なのかというと、電験を持っている人が会社にいないと、電気設備の工事、メンテナンスができないのです!!
極端にいうと、電験ホルダーがいないと会社が潰れます。君が経営者だとして、そういう人材を簡単に手放すと思いますか?答えはNoです。電験を取得した段階で、食に困ること(食いっぱぐれという)はまず無くなります。めでたしめでたし。
そんな最強の電験ですが、それなりに取るのが難しいんですね。
電験は4つ(理論、電力、機械、法規)の試験科目がありますが、全部むずいです。これらを全てクリアしないと、憧れの電気主任技術者にはなれません。
4つの試験を3年以内にパスできた人には、なんと経済産業大臣から免状をいただくことができます。免状はこんな感じ。
簿記は経営学部だけのアイテムではない
続いて紹介するのは日商簿記。会社の業績を把握するための一連の記録手続きができるかどうかを示す資格です。が、それが重要ではありません。
理系、とりわけ技術職に就こうとしている君は、そんなもの興味ないかもしれません。
でもね、会社というのは慈善団体ではないので、お客さまにサービスを提供する代わりに、対価としてお金を受け取っています。技術職としての君の業務は全て、お客さまへのサービスと収益に直結しています。
だから、会社がどういう風に利益を上げているのかは把握しておいた方がいい。将来管理職に就く場合は、こういう視点が大事になってきます。
簿記の資格勉強を通して、会計の記録手続きを勉強しますが、実はこの手続きは財務諸表という会社の業績成績を示す報告書を作るためのものです。
つまり、簿記がわかると財務諸表が読めるようになり、会社の中での自分の立ち位置がわかるようになります。
早いうちから、お金の流れに詳しくなっておくと、後々効いてくると思うよ。ちなみに、合格証書はこんな感じ。
技術士補を取っておくと経営層の目の色が変わる
続いては技術士という資格。知ってる?
この資格は、電験と違って持ってないとどうなる、という類のものではありません。
にも関わらず、科学技術に携わる人間にとっては最も権威のある資格です。
どういうことかというとね、技術士という資格は、専門分野に関する高度な専門知識を持っていることを証明する資格なんだけれど、それ以上に、高い技術者倫理を備えていることを証明するものなのです。
技術者倫理というのは、ある技術を何かに活用したいと考えているときに、それを人としてやっていいことなのかを考えることです。
技術者が、最も気にしないといけない問題だよね。高度な科学技術は、人々に恩恵をもたらすこともあるし、悲劇をもたらすこともあります。原爆やチェルノブイリ、チャレンジャー号の事故などは、技術者倫理を考える上でよく題材にされるものです。
いい技術者は、高い専門知識と技術者倫理をバランスよく備えていることが大切です。倫理面を評価する資格、それが技術士なのです。
技術士は学生が取得することはできません。学生は「修習技術者」になることが、技術士への第一歩となります。これは、技術士の一次試験をクリアすることでなることができます。
「技術士補」とは、一次試験をクリアして「修習技術者」になった人が、会社にいる技術士の補佐として登録することでなることができます。
技術士補として実務経験を重ね、やっと技術士の二次試験に挑戦することができるようになります。僕も、技術士を目指す一人です。