リレー結線図(鉄道)の読み方についてメモを残すために記事を起こしました。案外リレー結線図の基本的な読み方って、ネットに転がってないんですよね。
リレーの基本的な仕組み
知ってるよ〜という人は次に進んでください!リレーとは、こんな感じの機械です。
リレーの中身を簡単に絵にすると、下のようになります。
上の状態で、cとbの接点にテスターをつなぐと、0Ω(通)の状態になります。
このとき、cとaの接点にテスターをつないでも、抵抗は無限大となり、電気は流れません。
次に、鉄心に巻かれたコイルと繋がっている接点に電池をつないだ状態が下の図です。
上の状態では、コイルに電流が流れるため、鉄心が電磁石になります(励磁)。
すると、中央の鉄片が鉄心に吸引されます。
このとき、cとaの接点にテスタをつなぐと、0Ω(通)になります。
一方、cとbの接点にテスタをつなぐと、抵抗が無限大となり電流は流れません。
これが、リレーの基本的な動作です。c接点とa接点は、コイルに電流が流れているときに通状態となります。信号屋はa接点のことをフロント接点と呼ぶこともあります。電気回路学的にはメーク接点という方が一般的でしょうか。
c接点とb接点は、コイルに電流が流れていないときに通状態となり、信号屋はb接点のことをバック接点と呼ぶことが多いです。電気回路学的にはブレーク接点。
c接点は、a接点ともb接点とも繋がっているので、common(コモン、共通)接点と呼んだりもします。というか、「コモン」という方が馴染みのある呼び方です。
リレー結線図はこう読む
リレーの挙動を理解したところで、本題のリレー結線の話。突然ですが、下の図を見てください。
見慣れないですよね。電気工学を勉強してくると、回路が閉回路になってないと気が済まない病になるので、線一本で書かれると?ってなる。
上の回路は、見慣れた閉回路で表現すると、以下と等価になります。
上の図で、左の24Vの電池の右隣にスイッチがありますね。
このスイッチを入れると、中央のリレーが動作して、c接点とa接点が通になります。
この部分をよく見てみると、c接点は電源(24V)と繋がっていて、中央のリレーが動作すると、右のリレーのコイルに24Vの電圧がかかることがわかると思います。
結線図では、実は●(くろぽち)がコモン接点を表す記号となっています。下の図を見てください。
中央のリレーには「R」という名前がついていて、このRリレーが動作(コイルが励磁される)と、Rリレーのc接点からa接点を通って、「RP」というリレーのコイルに電流が流れ、RPリレーが励磁される、という意味を表しています。
もう一度上の図を見てください。Rリレーの「a接点を通って」って、a接点なんてどこにも書いてないです。いえいえ、ちゃんと書いています。下図を見てください。
「R」と書かれた部分、線の上に「レ」と書かれています。これが、Rリレーのa接点(フロント接点)を使用しているという意味なんです。
じゃあb接点は?下のようにリレーを構成した場合、結線図はどう表現されるのか?
上の回路では、中央の「R」リレーのb接点を使って回路を構成しています。Rリレーはコイルに電流が流れていないので励磁されていませんので、c接点とb接点は電気が流れる状態となっています。この結果、電源とつながっているc接点からb接点を経由して、右側の「RP」リレーが励磁されている状態となっています。
この回路は、結線図で表現すると以下のようになります。
結線図では、線の下に「レ」を逆さまにした記号を書くことで、リレーのb接点を使うということを表現します。