今朝の日経朝刊に、直下型地震に関する記事があった(1)。直下型地震は発生の予測が難しいことから、地震が発生した時にどれだけ迅速に動けるかが被災を食い止める鍵となる。都心部で発生の可能性がある首都直下型地震ならなおさらである。
このため、人命や設備を守るためにITを活用した民間のサービスが続々登場してきているそうだ。
早期地震警報システムと呼ばれるシステムは、地震発生時にP波と呼ばれる振動を感知して、S波と呼ばれる大きな揺れが到達する前に揺れを知らせるシステムである。
このシステムを用いれば、大きな揺れが到達する前に運転中の列車を停止させるか、止まれないまでも速度を落とす事が可能であり、調べた限り関東大手私鉄はすでにこのシステムを導入し、運用している(2)~(10)。
記事の中で目を引いたのは、SNSを用いたビックデータの情報を元に、地震による被害を把握し、帰宅困難者への情報提供に役立てるシステムだ。
大震災発生時は鉄道の駅も災害時支援拠点となりうる。ビックデータを用いて取集した各駅周辺の被災状況を駅構内でリアルタイムでお客さまに提供すれば、お客さまは安全なルートを選択しながら自宅に帰る事ができる。
最近ではデジタルサイネージと呼ばれるLCDを用いた案内表示看板も導入され始めているが、これらを上手に活用する事でより効率的にお客さまに必要な情報を提供できるではないか。
いつ何時であってもお客さまの安全を確保する事が鉄道職員の使命である。それは大地震等の災害が発生した時も例外ではない。
お客さまの安全を確保するために活用できる技術やサービスが発展してきた今、これらを積極的に採用することもまた鉄道会社の務めである。
いつ発生するかわからない大震災に対する備えを万全にしておき、いざという時もお客さまの安全を必ず確保し、少しでも不安が軽減できるようなサービスを提供することも、サービスのプロフェッショナルである鉄道係員の使命である。
(1)日本経済新聞電子版 「直下型地震を憂う(下)人命や設備 ITで守る」
(2)東武鉄道 2017安全報告書
(3)西武鉄道 自然災害対策
(4)京成電鉄 安全報告書2017
(5)京王電鉄 運転保安の向上
(6)東京急行電鉄 安全報告書2017
(7)京浜急行電鉄 2017鉄道安全報告書
(8)東京メトロ 震災対策
(9)小田急電鉄 安全報告書2017
(10)相模鉄道 グループ事業案内