一昨日から外部講習のため上野に通っている。久しぶりに都心方面に向かう朝の通勤ラッシュを経験しているが、混雑具合には閉口している。終点駅で具合を悪くしたお客さまが駅の柱に力なくもたれかかり動けない様子を毎日目にする。こんな状況で、安全安心を提供していると胸を張って言えるのか。
満員電車を緩和するためにできそうなことを考えてみる。
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効率よく旅客をさばく
今やスマホの普及率は71.8%(1)であることから、各駅の利用者数実績から、各駅における一番効率的な電車の乗車位置を利用者にスマホで提示するのはどうか。ただ案内に従ってもらうというのは少々乱暴な話だと思うので、山手線のトレインネットのように、音波装置を用いて車両位置を把握できるようにして、ご案内した車両位置に乗車していただいたらその事実がスマホのアプリで判定できるようにして、ポイントを付与する仕組みにするのも面白いと思う。
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列車ダイヤをより効率的かつ合理的なものになるよう見直す。AIが使える。
今ある鉄道資産をより有効活用するためにまず思い浮かぶのは、ダイヤグラムの最適化だろう。有料座席指定列車を除いて一番優等の列車を、終着駅以外の都心付近にあるいわゆるターミナル駅にも止めないというのも一つの手だと思う。利用者実績を時間別、駅別、行き先別に分析し、天候気候による混雑度合いをAIで予測しながらいくつかのダイヤを作っておき、毎日適用するダイヤをAIに選ばせるのはどうだろうか。駅の時刻表には詳細の時分を掲載せず、時間帯ごとに列車密度(何分ごとに来る)だけ書いておく。
本当に効率の良い列車ダイヤは、ダイヤを作らないことかもしれない。自動車のトラフィックのように、その時々の状況に応じて最適な動き方を車両個々、あるいは中央の装置が考えて動かすという手段もある。移動閉塞と継電連動を遵守するようにして、あとの動き方は臨機応変とすれば、時々の状況で最速の動き方ができるし、思考回路をAIに分担させれば、指令の業務も軽減される。
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時差通勤・各駅停車への乗車を勧める。
各駅停車は他の優等列車に比べると目的地まで時間がかかる分、比較的混雑していない場合もある。これに優等列車のお客さまを誘導できれば、混雑が平滑化される可能性がある。お客さまを誘導する方法として、先ほど述べたポイント制が使えそうである。一定ポイントを貯まれば座席指定列車に乗れるようにすれば、それなりに効果があるのではないか。
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ファストパス制はどうか
ディズニーランドのように、あらかじめ優等列車の乗車権を取得する方法。ハードウェアの整備の必要性からハードルが高そう。
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優等列車利用客に対するサービス料徴収
前項と考え方が反対になるが、優等列車を有料制にする方法により、満員電車になりがちな優等列車からお客さまを各駅停車に誘導する手段。料金徴収方法や支払い確認方法でハードウェア的なハードルが高そう。
参考文献
(1) 総務省 平成29年度版情報通信白書 (http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc262110.html)