国立社会保障・人口問題研究所が2018年3月31日に発表した「日本の将来推計人口」(http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29suppl_reportALL.pdf)によると、2017年度には7,578万にいる15〜64歳までのいわゆる生産人口が、30年後の2047年度には5,482万人まで2,096万人も減少するらしい。およそ28%減少する計算だ。
つまり、企業において現状と同様の作業を30年後に行う場合、39%効率を上げなければいけないということである。人工知能やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し業務効率化を進めることが急務であることは間違いない。
東芝デジタルソリューションズとアルパインは、ドローンによる送電線の点検サービスを開発している。ドローンで撮影した送電線の写真を、ディープラーニングと呼ばれる学習機能を用いて解析し、異常箇所を自動検出できる。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23685700Q7A121C1000000/)
これらの技術を上手に導入すれば、効率よく点検作業を実施できるだけでなく、労働災害が発生するリスクも軽減することができる。異常箇所の復旧作業を作業員が実施すればよい。
東京電力パワーグリッドはすでに送電線の異常を人工知能で診断するシステムを開発すると発表している。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23298690Z01C17A1X93000/)作業時間が短縮され、年間数千万円のコスト削減につながるそうだ。
JR東日本は列車運行や駅に供給する電力を、ビックデータを用いて予測する取り組みを始めた(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ05HDS_X10C16A2MM0000/)。自前の発電設備の発電量を大量の過去データに基づいて予想することで、効率よく発電所を稼働させることができるが、ビックデータを用いてデータを解析するのは人工知能の得意とするところだ。というか、ビックデータを解析するために人工知能が開発されたと言ってもいい。
人口減少が進むので複々線化を推し進めすぎるのはナンセンスである。既存の鉄道資産を最大限活用し、輸送のパフォーマンスを上げるために、様々な視点で人工知能を活用し、業務効率化を進めることが重要であるのではないか。